canio’s blog

モデラー/フィギュア原型師・太刀川カニオのブログです。

マスターボックス1/35 ”Women at War: Germany, Luftwaffe Helferinnen” act.2

さて、前回のタバコ女性ですが、相方のライター男は空軍パイロットと陸軍将校の2体がセットされてますが、おねいさんも空軍補助員なのでパイロットをチョイス。 女性と同じくパーティングラインを削っただけのストレート組みフィギュアを塗装のみで仕上げます。

まずこれやけにへっぴり腰なんですね。
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原因は骨盤の向きだと思います。キメラ改造でもやりがちなんですけど、片足を横へ投げ出して、その足が地面に付いた状態になったら骨盤は片下がりにならないといけないので、このように尻の頂点の位置が地面に平行だと右足が長いことになっちゃますよね。 更に腰の位置が引き気味なのに上半身は火をつけようと前のめりになってるので余計におかしなことになっちゃってます。 言うなれば「キャイ~ンっ」ってやりながら火をつけてるというか(笑) 本来なら左足よりにもっと重心を傾け、腰を前に出して右足の踵は浮かせるような感じに全身で前にのり出すような感じにすれば自然になるんじゃないかと思いますね。 まぁ今回のコンセプトはストレート組みなのでそれはそれと割り切り、塗装でそれを目立たなくするような方向で仕上げていきます。
あとは手のひらがちょっと小さすぎる気がするのと帽子はもう少し深く被った方がカッコイイですよね。
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塗料ですが、顔はファレホ、ジャンパーがタミヤアクリルベースで油彩仕上げ、ズボンはアクリラガッシュ、ブーツはタミヤアクリルを使ってます。 いつものように塗料の仕上がりの違いを素材感表現の助けにしています。
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この顔の人、他のセットでもよく見ますんで典型的なマスターボックス顔なんでしょうね。 原型師ガガーリンさんは右利きですね多分。 顔の左半分の造作が若干甘い。 目の輪郭の彫り込みは深いのですが、左右で形が違うのと、瞼の出方が左右で違います。 これはそのまま凹凸に沿って塗ってしまうと違いが強調されてしまうだけなので、片側に合わせて反対側もそういう凹凸になっているように見えるようにダマシ絵的補正をしてやります。 鼻も鼻腔が全くないので描き込み。 耳も外形だけで全くモールドがなくツルンとしているので描き込みです。耳は描き込みでも全然違和感ないですね。
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ズボンの下腹部にシワがあまりなく、なんかへっピリ腰を強調してしまっているので全体に腰が正面向かって左へ下がっているようなラインを作るように、薄い布感を細かいシワや弛みを描き込み、本来の凹凸も陰影を強めにつけてアクセントにしています。
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髪の毛も塗装のガイドになるようなモールドはほとんどついてないので髪のボリュームや生え際表現なんかも全部描き込みです。

てな感じでどうでしょうか。さて次回はおねいちゃんを隣に並べて完成ですね。