canio’s blog

モデラー/フィギュア原型師・太刀川カニオのブログです。

マスターボックス1/35 ”Women at War: Germany, Luftwaffe Helferinnen” act.3

マスターボックスのフィギュアを素組みで塗って仕上げよう企画。 同社1/35「Woman at War: Germany, Luftwaffehelferinnen」からチョイスした2体を合わせます。  同セットは4体ですがこれで完成ということで(^^;)
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やっぱり絡みがあるとストーリーが生まれていいですね。 ただひとつ残念なのはライター男の視線がイマイチ合ってないというところ。

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こちらからのショットだとそんなにあさっての方を向いているようではないんですが、このフィギュアは目玉部分が彫り込んであって、瞼が高いのです。 そうすると引き絵の場合に、この目の上の縁(瞼)の影が瞳の上端を暗く隠したり、顔を正面以外から上で見たときに瞳(黒目)の上側を隠してしまうので、ライティングや見る方向によって視線の向きが違って見えてしまうんですねぇ。 瞼に段差があるのはそういう問題がなければ睫毛の表現として活きるんですけどね。
また、それじゃあ目の下の方に黒目を描けばいいじゃないかと思いがちですが、人は下方へ視線を落とすときには黒目の移動に連動して瞼を下げるもので、仮に瞼の位置をそのままに黒目だけが下がると「クワっ」っと目を見開いたようになってしまいます。 鏡に向かってやってみてください(笑) つまり、黒目の上半分の輪郭が見えるような目はビックリしたりキョドったりしたとき以外にあまりなく、目の輪郭を改造できない以上、塗装での上下の視線変更は難しいのです。 素組み縛りが無ければ瞼か首部で改造を加えて修正したかったところですね。 それでも表情がおかしくならない限界まで黒目を下まで下げましたが、若干キョドってる風にも見えちゃいますよね。難しいものです。
逆を言えば、フィギュアの目を自然に描けない塗れないという方は黒目の上半分を隠して三白眼気味にするといいということですね。 これはシェップ御大もかの名著で書いている基本であります。
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女性と男性の肌の色はベースの肌色を変えています。女性はベーシックスキントーン(ファレホ)で男性は同パンツァーエースのフレッシュベースです。 まぁ男性をちょっと浅黒くということです。 また男性のアゴ周りは青を混ぜてヒゲ剃りあとの演出をしています。
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まぁ横からだと「キャイ~ン」気味に出っ尻で火をつけてるのがわかっちゃいますが(^^;) 模型はこうして見る方向を自由に変えて楽しめるところがいいですよね。

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こうして背中もなかなかいいものです。
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ということで完成です。 今年のウォーミングアップのためもあって始めた企画ですが楽しめましたね。 自分の造形じゃないものを塗るというのも勉強になるものです。 でも自分は誰が塗ってもそれなりにいいものができる造形の良いものより、こんな風に少々難ありなものを工夫して塗る方が楽しいですね。 塗装期間もこれで2体で10日程度ですが、多分これ以上だと飽きちゃいますね。 やはりペインターでもないし、コンテストにも向かないですねワタシ(^^;)