canio’s blog

モデラー/フィギュア原型師・太刀川カニオのブログです。

静岡ホビーショー・クラブ合同展

先週の帰国以来、会合マラソンをこなしておりますぅ。いよいよ金曜日に静岡入りということになりますが
ここで出展作品と展示ブースを紹介しておきます。

展示作品その1)
航空ジオラマ「Battle of Britain」
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昨年、東京・青山で開かれた「テングモデラーズ第一回展示会」の出展作です。

使用キット
レベル1/32ユンカースJu88A-1
レベル1/72ホーカーハリケーンMk.Ⅰ
~小学生のときにTVで父と映画「空軍大戦略」(原題Battle of Britain)を観た次の日、
父がこのレベル1/72・ハリケーンのキットを私に作ってくれました。
あれからもう40年・・・いつの間にかその時の父の歳を超えてましたね。
そのオマージュとして同映画のイメージをベースに飛行機キットを情景作品の一部として取り込み、
ドラマチックな空戦シーンを完全オリジナルフィギュアの構成で再現してみました。~


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実験的な航空ジオラマで、フィギュアはすべてオリジナルフルスクラッチです。
作品詳細はこちらをご覧下さい↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1876892768&owner_id=2777935

紹介画像庫
完成ギャラリー: http://d.hatena.ne.jp/canio/20130404/
メイキングJu88: http://d.hatena.ne.jp/canio/20130401
メイキングフィギュア: http://d.hatena.ne.jp/canio/20130402


展示作品その2)
ジオラマストライクウィッチーズ発進基地」(仮名)
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ストライクウッチーズに登場するエーリカ・ハルトマン中尉とその愛機の発進ユニットを
1/32でジオラマ仕立てにしてみました。
こちらでも紹介してきましたがエーリカ・作業員のフィギュアや発進ユニットはフルスクラッチです。
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展示ブースはNo.40「南北モデラー連合」です。


あとはこちらのフィギュア作品も持っていく予定ですが、
展示作品その3)
「Woman at War: Germany, Luftwaffehelferinnen」
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こちらのブログでもご紹介したマスターボックス1/35のフィギュアを
素組みで塗って仕上げよう企画のフィギュア作品ですが、こちらは
「リトルウォーリアーズ」
の ブースに置かせていただく予定です。

今年はなるべくブースにいるつもりでおりますので
いらしたら一声かけてくださいまし。よろしくお願いしますm(_ _)m



1/32ストライカー発進ユニットジオラマ その三

さて、前回に引き続き整備兵フルスクラッチ。造形は完成です。

まず立ち姿のAさん
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前々回の粘土造形の状態から

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放っておいたら足も生えてきました。(んなアホな(^^ゞ)
顔はシンメトリとか自然な感じに修正してたらエド・ハリスから離れましたね(笑)
まぁ顔似せをやってるわけではないので。

ついで立て膝座りのBさん
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同じく前回の粘土造形状態からエポパテでディテールを追加し、
タミヤパテ(ラッカーパテ)で微細な調整をしつつ表面処理していきます。

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とまぁこういうわけです。
手の彫刻とかまだちょっと粗いんですけど原型じゃないからこんなもんでいいでしょう。

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ちょっとタミヤっぽい?('∀`)
二人共片手を握ってるのは工具を持たせるからです。

さて塗らないとっ

1/32ストライカー発進ユニットジオラマ その二

前回に引き続きストライカー発進ユニットの整備兵フルスクラッチですが、
前回の状態からエポキシパテでディテールを追加して
タミヤパテで微調整と表面処理をしつつ仕上げていきます。
今回はジオラマワンオフなのでこんなもんかなぁと完成っ・・・
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「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
完成と思ったその途端に床に落とし、その拍子に折れた足が消えた…
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…」 Σ(゚д゚lll)

フィギュア本人も驚いているように見えますが(苦笑)
ということで足は造り直します(´д⊂)

エポパテが乾く時間までもう一体を作り始めましょう。
いつもの造形粘土でのタペストリー工法は立ち姿には大変有効ですが、
その応用で複雑な姿勢も作れるのです。
良い機会なので練習を兼ねて立ち膝姿勢のフィギュアを。
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複製の粘土埋めと同じような要領で表のヘラ造形と裏の削り出しのラインを決め
板上の粘土に細工を施していきます。
ヘラが入らないのでヘッドと左腕はあとで追加とします。
焼く前に写真の様に周囲の余分な粘土をトリミングして板ごと焼きます。
ちなみにこれはカマボコ板です。
焼いたら板から剥がして裏側を今度は彫刻で作っていきます。
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このプロスカルプは焼いては盛ってさらに焼く、追い焼きが容易にできます。
あらかた削り出してから左腕部分に粘土を盛って左腕を作ってから焼き、
別に作って一度焼いたヘッドを針金で差し込んで首を造形してまた焼く。
粘土では粘度の調整がしづらいので細かいディテール工作は難しいので
プロスカルプでの工作はこの辺までとして、このあとはエポパテで仕上げていきます。

つづく

1/32ストライカー発進ユニットジオラマ その一

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先日記事にしたフルスクラッチの1/32エーリカ様ですが、単体だと展示がちょっと寂しいので
展示台としてストライカー発進ユニットを同スケールでフルスクラッチしました。
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これの製作記もそのうちどこかで記事を書こうと思いますが、
とりあえず静岡ホビーショーでこれらをジオラマにして展示したいと思い、
整備員などを配したいなぁと。
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そこで安直にタミヤの戦車整備兵を塗り始めたのですが・・・

この人たち暗い(;´Д`)
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下向いてるんで塗るのもツマらないしインパクト無さすぎで添える意味も見えなくなっちゃうよなぁ。
ってことでチャチャっと作ることにしました。
EDにチラッと出てきますが、ウィッチがパンツでなくてズボンだからということなので、
整備員は半ズボンというのがこの世界の通例のようですね。
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とりあえずこの左の彼をモチーフに一人作りましょう。

ってことで粘土コネコネ
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ちょっとエド・ハリス似か。ハゲなだけ?(;´Д`)
で焼いて裏側を彫刻してこんな感じに
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粘土造形はこんなとこまでですね。後はパテでディテールを追加していきます。

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「ほらっ お前らも顔あげろよっ!」w

1/35 西住殿 その一

やはり1/35キャラフフィギュア者としてはガルパンは避けて通れないネタ。まずは西住殿をモデルに基本ヘッドを作ります。

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造形粘土プロスカルプを板にくっつけたまま造形。周囲をトリミングして焼きます。
まだスカルピー焼きっぱなしの状態なのでアゴのライン等不揃いですが、ここから修正していきます。バランスがまだリアル調に引っ張られてますね。
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焼結したプロスカルプはあまり深焼きしてしまうとPVCなので加工しづらくなってしまいますので半焼き位に火を入れます。加減は各々の加熱機器で違うので試行錯誤で見つけるしかないですね。半焼きしたものを棒ヤスリと耐水ペーパーで削りつつ溶きパテの盛り削りでディテールを作りつつ表面処理していきます。
最小の状態からアゴのラインをかなり上にあげ、目を外に大きくしてますね。戦闘モードの険しい顔を作ろうと思ってるので額はやや盛り上げ気味に、目は縦に小さめにしてみました。大体こんなもんでしょうか。
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ズームを引くとこんなサイズ。 100円玉にピントがいっちゃいます(´Д`;)
他のキャラも顔の面取りは大体同じなので、これを複製して目の造りを変えてあんこうチームをみんな作っちゃいましょう。

でもこの続きは5月の静岡ホビーショーの後になりそうです(^^ゞ

マスターボックス1/35 ”Women at War: Germany, Luftwaffe Helferinnen” act.3

マスターボックスのフィギュアを素組みで塗って仕上げよう企画。 同社1/35「Woman at War: Germany, Luftwaffehelferinnen」からチョイスした2体を合わせます。  同セットは4体ですがこれで完成ということで(^^;)
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やっぱり絡みがあるとストーリーが生まれていいですね。 ただひとつ残念なのはライター男の視線がイマイチ合ってないというところ。

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こちらからのショットだとそんなにあさっての方を向いているようではないんですが、このフィギュアは目玉部分が彫り込んであって、瞼が高いのです。 そうすると引き絵の場合に、この目の上の縁(瞼)の影が瞳の上端を暗く隠したり、顔を正面以外から上で見たときに瞳(黒目)の上側を隠してしまうので、ライティングや見る方向によって視線の向きが違って見えてしまうんですねぇ。 瞼に段差があるのはそういう問題がなければ睫毛の表現として活きるんですけどね。
また、それじゃあ目の下の方に黒目を描けばいいじゃないかと思いがちですが、人は下方へ視線を落とすときには黒目の移動に連動して瞼を下げるもので、仮に瞼の位置をそのままに黒目だけが下がると「クワっ」っと目を見開いたようになってしまいます。 鏡に向かってやってみてください(笑) つまり、黒目の上半分の輪郭が見えるような目はビックリしたりキョドったりしたとき以外にあまりなく、目の輪郭を改造できない以上、塗装での上下の視線変更は難しいのです。 素組み縛りが無ければ瞼か首部で改造を加えて修正したかったところですね。 それでも表情がおかしくならない限界まで黒目を下まで下げましたが、若干キョドってる風にも見えちゃいますよね。難しいものです。
逆を言えば、フィギュアの目を自然に描けない塗れないという方は黒目の上半分を隠して三白眼気味にするといいということですね。 これはシェップ御大もかの名著で書いている基本であります。
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女性と男性の肌の色はベースの肌色を変えています。女性はベーシックスキントーン(ファレホ)で男性は同パンツァーエースのフレッシュベースです。 まぁ男性をちょっと浅黒くということです。 また男性のアゴ周りは青を混ぜてヒゲ剃りあとの演出をしています。
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まぁ横からだと「キャイ~ン」気味に出っ尻で火をつけてるのがわかっちゃいますが(^^;) 模型はこうして見る方向を自由に変えて楽しめるところがいいですよね。

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こうして背中もなかなかいいものです。
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ということで完成です。 今年のウォーミングアップのためもあって始めた企画ですが楽しめましたね。 自分の造形じゃないものを塗るというのも勉強になるものです。 でも自分は誰が塗ってもそれなりにいいものができる造形の良いものより、こんな風に少々難ありなものを工夫して塗る方が楽しいですね。 塗装期間もこれで2体で10日程度ですが、多分これ以上だと飽きちゃいますね。 やはりペインターでもないし、コンテストにも向かないですねワタシ(^^;)

マスターボックス1/35 ”Women at War: Germany, Luftwaffe Helferinnen” act.2

さて、前回のタバコ女性ですが、相方のライター男は空軍パイロットと陸軍将校の2体がセットされてますが、おねいさんも空軍補助員なのでパイロットをチョイス。 女性と同じくパーティングラインを削っただけのストレート組みフィギュアを塗装のみで仕上げます。

まずこれやけにへっぴり腰なんですね。
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原因は骨盤の向きだと思います。キメラ改造でもやりがちなんですけど、片足を横へ投げ出して、その足が地面に付いた状態になったら骨盤は片下がりにならないといけないので、このように尻の頂点の位置が地面に平行だと右足が長いことになっちゃますよね。 更に腰の位置が引き気味なのに上半身は火をつけようと前のめりになってるので余計におかしなことになっちゃってます。 言うなれば「キャイ~ンっ」ってやりながら火をつけてるというか(笑) 本来なら左足よりにもっと重心を傾け、腰を前に出して右足の踵は浮かせるような感じに全身で前にのり出すような感じにすれば自然になるんじゃないかと思いますね。 まぁ今回のコンセプトはストレート組みなのでそれはそれと割り切り、塗装でそれを目立たなくするような方向で仕上げていきます。
あとは手のひらがちょっと小さすぎる気がするのと帽子はもう少し深く被った方がカッコイイですよね。
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塗料ですが、顔はファレホ、ジャンパーがタミヤアクリルベースで油彩仕上げ、ズボンはアクリラガッシュ、ブーツはタミヤアクリルを使ってます。 いつものように塗料の仕上がりの違いを素材感表現の助けにしています。
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この顔の人、他のセットでもよく見ますんで典型的なマスターボックス顔なんでしょうね。 原型師ガガーリンさんは右利きですね多分。 顔の左半分の造作が若干甘い。 目の輪郭の彫り込みは深いのですが、左右で形が違うのと、瞼の出方が左右で違います。 これはそのまま凹凸に沿って塗ってしまうと違いが強調されてしまうだけなので、片側に合わせて反対側もそういう凹凸になっているように見えるようにダマシ絵的補正をしてやります。 鼻も鼻腔が全くないので描き込み。 耳も外形だけで全くモールドがなくツルンとしているので描き込みです。耳は描き込みでも全然違和感ないですね。
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ズボンの下腹部にシワがあまりなく、なんかへっピリ腰を強調してしまっているので全体に腰が正面向かって左へ下がっているようなラインを作るように、薄い布感を細かいシワや弛みを描き込み、本来の凹凸も陰影を強めにつけてアクセントにしています。
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髪の毛も塗装のガイドになるようなモールドはほとんどついてないので髪のボリュームや生え際表現なんかも全部描き込みです。

てな感じでどうでしょうか。さて次回はおねいちゃんを隣に並べて完成ですね。